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  • 執筆者の写真小宮山剛

2019年4月 椎葉

早く更新せねば、半年遅れの更新になってしまう・・・。そう思いながら「みさと文学賞」やら「宣伝会議賞」の応募に躍起になっていたら、時の針は無情にも進み続け11月がやってきた。明日11月8日からはもう「椎葉平家まつり2019」だ。椎葉村の夜闇は深まり、結界をはるように配された美しく赤い提灯には平家の紋章が浮かんでいる。


ここでは、そんな美しい提灯の写真を貼るのはやめておこう。きっとそれは半年後、このブログ上に貼られることになるだろうから・・・。今日はなんといっても4月のことを書くのだ。もしかすると僕は、そう遠くない過去を慈しみ自らを慰めるためにこのブログを書き、半年前の写真をぼうっと検索などしているのかもしれない。


 

・・・何はともあれ、4月はめでたい月だった。僕はこの月に、椎葉村地域おこし協力隊としての活動を始めることができた。半年前、振り返ると色んなことを今よりわかっていなかったし、色んなものが今よりも豊富にあった。もちろんその代表格は僕の身についた脂肪なのだけれど、この4月に86キロくらいあった僕の体重は、椎葉での健康的な時間感覚と食事のおかげで、この後ひと月足らずで10キロも減ることになる。


なにをもってこんなにパンパンなのだ

そんなことはわかりきっていたのだけれど、やっぱり僕の椎葉での家は山深いところにある。これはのちに「上椎葉は都会」という考えに変化していくのだけれど、4月1日の僕は、やっぱり針金橋公営団地からの眺めを「やま、ふけぇ~~~」と思いながら見渡していた。


なお、この「朝にベランダに出る」という行為は、夏の大量の虫さんが現れてからは、また寝間着(一応、着てることにしよう)が薄くなってからは、消失する。

自宅からは椎葉中央保育所が見える

今はわかりきっているけれど当時知らなかったことの一つに「閣下の凄さ」がある。閣下とはデーモン小暮閣下さんのことではなく、上椎葉ダムのことである。

まずこのダム湖は、椎葉村のことを「桃源郷」と評した吉川英治により「日向椎葉湖」と名付けられている。それだけではすごさが「?」な方には、九州電力が満を持してリリースした(多分)Youtube動画「九電DNA篇」をご覧いただくといいだろう。数ある九電さんの水力発電ダムのなかで、上椎葉ダムが「初の大規模アーチ式コンクリートダム」として冒頭から登場している。

上椎葉ダムは・・・。もうこれくらいにしておこうぜアニキ。奇しくも2019年11月16日は閣下観光放水のイベントがあるそうだ。その前に、初めて閣下を拝した日を思い出せてよかった。

はじめて展望台から上椎葉ダムを拝んだ

イケメンテニスプレイヤーといえば「跡部景吾か小宮山剛か」と言われるところだが、そんな小宮山は椎葉村でもテニスを続けている。今までの硬式と違って勝手がわからぬところはあるが、立派な体育館で仕事終わりに思いきりラケットを振りぬくのは爽快である。

立派な椎葉村民体育館

織田信長、月の満ち欠け、そして生と死。そんな誘惑たっぷりなワードが並んだ案内文を読んで是非見たいと思っていた「落ち水の滝」をひょんなことから見つけたのも4月だった。正確に言えば4月7日だった。

15世紀の後半、安土城に移った織田信長は、大 古代、欠けまた満ちる現象から月には死と蘇生を繰り返す水「落ち水」があると信じられており、地区の人々は古くからこの滝の水を正月に汲む若水として大事にしています。谷水が涸れないように「ごうさま」と呼ばれる水神様が祀られ、昭和の初め頃までは「ごうさま鷹」が棲みつきこの一帯を見守るように飛び回っていたといわれています。
落ち水の滝・・・たぶん・・・

そんなわけで、いよいよ地域おこし協力隊としての活動も本格化してくる。椎葉村地域おこし協力隊は「協力隊だより」なるものを作っていると聞き(後に自分の仕事となる)、集合写真をとったり、歓迎研修としてのミーティングや合宿を行ったり・・・。なんだか2013年の4月、つまり新卒新入社員のときに戻ったみたいだな・・・。そんな感興をいただきながら、ひとつひとつ仕事を覚えていった。

実に仲良さそうな(仲いいです)写真

「ローカルファシリテーター」のもと開催されたミーティング

研修合宿といえば、その際椎葉村地域おこし協力隊「食の継承者」が振舞ってくれた猪肉(シシニク)が旨かったのなんの。これまでは世田谷区池尻の「OGINO」さんで食べたフレンチコースのジビエシシニクが一番旨いと思っていたけれど、軽く飛び越えていった。旨い。

猪肉グリル

椎葉にきて初めて「祭」なるものに参加させていただいたのは、古枝尾の的射であった。所作のひとつひとつが美しいようにみえ、非言語的な意味が意志をもって非日常の場としての祭を飛び交っていたように思う。

椎葉では、春祭りとして的射が行われます。的射とは、奉射神事のことで、一年間の災厄を避けるために行われます。
正月から春にかけて全国的に奉射神事が行われますが、椎葉の的射もその流れを汲むもので、ここには「神の的」という特殊な的が作られるのが特徴的です。それぞれの地区で矢を的に射る儀式は違います。神の的の儀式の後には、村人全員が複雑な作法や口上が飛び交いながら的射を楽しみます。春節や的射節などもこの時に歌われるのです。
春祭りは、家族や村に一年間災いが来ないように祈願するための大事な祭りなのです。
迫力ある的射

春晴れの美しさが、祭のあいだに増したようだ

椎葉にはいくつも美しい景色があるけれど、村民体育館横から眺める夕暮れや星空は格別だ。こんな風に、あといくつの場所を特別だと思えるのだろうか。それらを見つける頻度は、椎葉に来てから格段にあがっていることは確かだ。

夕暮れが美しい

椎葉村はなんと、2018年に移住情報サイト「SMOUT」を通じて移住したとの報告が全国で一番だったのだとか。すごいぞ椎葉村。私も移住担当者さん達と一緒に、SMOUTで移住した者として喜びました。

いやぁ、見事なまんまる顔だなぁ。

SMOUT AWARD 2018の受賞を祝して

2019年もたくさん人口が増えますように

ところで、2020年度の地域おこし協力隊の募集は2019年11月29日が締め切りである。きっと応募すると楽しい未来が待っているのである。応募するである。


青年団が設置した大型鯉のぼり(すげぇ!)

河原での焚火BBQ

4月の振り返りは、こんなものだろうか。

意外と短い記事になった、と思う。この記事を書き始めてまだ1時間ほどしか経っていない。写真選びにほとんどを費やしたが、今後もこんな風に写真メインな感じでアップしていこう。


 

鯉のぼりがあがると、いよいよ5月である。この頃「クリエイティブ司書小宮山」は図書スペースの構想について少しずつアイディアを生みはじめていた。彼は書籍を読み、全国の図書館事情をまず学んだ。「行動より机上の計画を」というわけではないが、実際にいろいろ動く前に、今の椎葉の図書事情と全国の事情を自分の頭の中で整理し、比較したかった。

この頃の写真を見返すと、椎葉村役場の図書室や民俗芸能博物館の図書室の写真が山のように出てくる。4月に村へ来たばかりの人間が唐突に写真を撮りまくる姿は、さぞかし怪しかったろう・・・。


お許しください。それがきっと、これまでにないものを創るために繋がるでしょうから。


比較的よく読んだ、図書館関連の本たち

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