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  • 執筆者の写真小宮山剛

青い本特集

更新日:2020年3月13日

【クリエイティブ司書文庫、はじめました】@カテリエテレワークセンター(宮銀跡地)


六月の雨に濡れながら、無色透明のブルーが身体に染み渡るのを受けとめるでもなく受け流すでもなく、僕は過ぎ去りゆく梅雨の季節に短めのさよならを言い渡した。 短めのさよなら。なんだかチャンドラーに対する天邪鬼みたいな言葉だけれど、僕はたしかに、短めのさよならを青い六月に告げたのだった。かつて僕のそばを通り過ぎていった全ての、正確には28回の六月たちの思い出を抱えたまま僕は、遠い国の遠い空で真っ白な入道雲がみるみるうちに空を駆け揚がっていく光景を目の当たりにした。 あの六月、僕は雨の日にしか会えないバス停の彼女を青い傘をさしたまま待ち続けた。あの六月、まだ季節には早いブルー・ハワイのかき氷が生えたての奥歯に染みた。あの六月、僕は初めての嘘をついた。 あの六月、僕はまだ蒼井優と運命の出会いを果たせると思っていた。『彼女がその名を知らない鳥たち』の蒼井優に関西弁でめちゃくちゃに罵られる阿部サダヲを見ながら、いいなぁ、いいなぁ、と思っていた。え、みんなそうじゃないんですか?違う・・・? なんだって?この長たらしくなりそうな文の趣旨?えぇい、はやってはいかん。いかんよ。とにかく僕はね、同郷の女優である蒼井優さんが出た映画はもうけっこう大好きなわけで、『ハチミツとクローバー』のはぐちゃん(最高)から、『東京家族』から、『クワイエットルームにようこそ』のクールな役から、『東京喰種』・・・。あぁ、僕は、青かった。


実際のところ「青い本」を集めてみようと思ったのは、ある六月の雨音のなかでサガンの『悲しみよこんにちは』が包まれたコバルトブルーをみつめながら、青い本の美しさに絶句してしまったからなのです。いやでも、もっと青くていい本がたくさんあるだろうに・・・小宮山蔵書の少なさが効いてしまいますね。



ここまで読んでくださった方限定で!・・・嘘です、皆さんいつでも、カテリエテレワークセンターまでいらしてくだされば「クリエイティブ司書文庫」をお読みいただけますし、小宮山までお声がけいただければお貸しもします。なんだか村上春樹さんばっかりで恐縮なのですが(笑)読みたかったなぁ、というものがある方は是非宮銀跡地までお越しください(^^)



数少ない個人本でどこまでやれるか未確定ですが、不定期更新にて本棚の内容を入れ替えつつ展示いたします!

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