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  • 執筆者の写真小宮山剛

ことばを知りたいということばに応えて(レファレンス:「季語」)

椎葉村には俳句の詠み手さんがたくさんいらっしゃるようだ。


私がメイン司書を務めている椎葉村図書館「ぶん文Bun」では、よくこう訊かれる。「季語について知りたいんだけど」と。


季節感が豊かな土地だからだろうか、あるいは俳句を想起するためのミューズに愛された土地なのだろうか。またおそらくは「ひえつき節」の聖地であるなど、民謡の盛んなことが大きく影響しているだろう。


椎葉のくらしの細部に、リズムのあることばが息づいているのだ。


そして、椎葉で多く訊かれるということは、きっと全国で同じようにリズムあるくらしを愉しんでおられる方々も「季語について知りたいんだけど」と思っておいでだろう。今日はそんな方のために、クリエィティブ司書的「季語選書」をご紹介いたしたい。


なお、本記事で紹介する御本はすべて椎葉村図書館「ぶん文Bun」に所蔵してあるものである。願わくばぶん文Bunまでお出でいただき、クリエィティブ司書が精魂尽き果てるまで考え抜いたディスプレイのなかで季語本と出会っていただきたいと思う。





ただしコロナ禍でどうしてもそれが叶わないという場合は、以下に貼っておくアマゾンのリンクからばしばしとご購入いただくのも良いと思う。ぶん文Bunを通じて出版界が潤うのであれば、それは巡り巡って図書館のためにもなる。どんなかたちでも、皆さんに知的な愉しさをお届けできることそのものが私の喜びである。



\クリエィティブ司書的「季語本」/





・俳句を楽しむ (岩波ジュニア新書)

「季語」と言われていきなり季語の本をどかどかおすすめしちゃう・・・というよりは、まず俳句というものを俯瞰するためにも入門書が必要かと。そんなとき、岩波ジュニア新書が使えるのです。

・季語の博物誌(和泉書院)

『俳句を楽しむ』とはうってかわって季語路線の深みにはまりたい方はこちら。情景描写に奥行きが出そうな一冊です。

季語成り立ち辞典 (平凡社ライブラリー)

本質的にいい文章を書くためには、本質的な意味を知りつくしたことばを使うことが大事です、ってとても私に言えたことではないけれど・・・。季語の成り立ちを知ってはじめて、見えてくる景色があるのかもしれません。

・俳句と川柳 (講談社学術文庫)

もうちょっと踏み込んで、俳句と川柳の比較も楽しむことができます。ときに海に潜り、ときに空を飛び、俳句を見つめなおしてみましょう。

・雨のことば辞典 (講談社学術文庫)


・花のことば辞典 四季を愉しむ (講談社学術文庫)


・風と雲のことば辞典 (講談社学術文庫)


四季・情景を描くうえで欠かすことができない、雨、花、風、雲。そんな自然の情景をより深く知ることで、季語のひきだしも深まるでしょう。『広辞苑』をぺらぺら読むのは辛いけれど、文庫サイズのこの3冊なら網羅的に詠めそうです。



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クリエィティブ司書的「季語本」の紹介をお読みいただきありがとうございます。ほしい一冊はみつかりましたか?


ぶん文Bunでは古典を「教養の礎」というテーマでまとめていますが、まさに俳句のリズムやことば選びは日本語教養の礎です。新しく「季語」にふれてみる人も、ジュニア新書などの入門編から深めていけばいつの間にか日本語力がレベルアップしているかもしれませんよ。




以上、黒南風もやみ晴天広がる椎葉村からお届けしました(さっそく季語使うヤツ)。

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